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苗名滝

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約3万年前、黒姫山(くろひめやま)の噴火によって流れ出た安山岩の溶岩が関川(せきがわ)を堰き止め、現在の新潟県(にいがたけん)と長野県(ながのけん)の県境に小さな湖ができ上がった。その後、水が溜まっていき天然のダムと化した湖の西端の水位が最高潮に達した結果、この苗名滝(なえなたき)が生まれた。この滝は元々、昔の日本語で地震を意味する「なゐ」と呼ばれていた。これは、55メートル下にある岩に滝の水が落ちてぶつかるときの轟音にちなんだものである。そこから時間が経つにつれて発音が次第に「なえ」に転化し、「名前」を表す「な」という言葉が付け加えられたことから、「なえな滝(なえという名の滝)」になった。

約200年前、この一帯は木材の切り出しが主要産業であり、丸太を下流に流して輸送していた。かつては滝の落ち口に巨大な岩があり、それが滝の流れを2つに分けていたが、長年にわたり丸太がぶつかったことで岩が細かく砕け、1814年に現在の形になった。

江戸時代(1603~1867)、苗名滝は、この地を訪れた歌人や旅人の作品にしばしば登場していた。その中でも最も有名な人物が、現在の信濃町(しなのまち)がある柏原(かしわばら)付近で生まれ育った俳人・小林一茶(こばやしいっさ)(1763~1828)である。一茶は1813年4月にこの滝を訪れ、次の句を詠んだ。なお、この句は滝手前の吊り橋近くにある碑に刻まれている。

瀧けぶり 滝の霧は
側で見てさへ 近くで見ても
花の雲 桜の花の雲のようだ

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名称:苗名滝
エリア:杉野沢
カテゴリー:自然
住所:〒949-2113 新潟県妙高市大字杉野沢
地図:GoogleMap

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