ハンセン病とは?
ハンセン病は、きわめて感染力の弱い「らい菌」による感染症です。乳幼児などの抵抗力の弱い人が繰り返して接触しなければ感染しません。また感染した場合でも、発病することはまれです。(遺伝する病気ではありません。)
適切な治療のなかった時代には、末梢神経がおかされることにより、顔や手足などにいろいろな形の障害があらわれ、その結果、ハンセン病に特有な変形を残すことがありました。
現在では適切な治療方法が確立されているため、複数の薬を使用することで、発病しても障害を残すことなく治ります。
隔離政策の歴史
ハンセン病を隔離する必要は全くなかったのですが、日本では古くから、顔や手足の変形などのために特殊な病気として扱われ、施設への入所を強制する「隔離政策」が行われてきました。
この「隔離政策」は、昭和28年に改正された「らい予防法」でも継続され、さらに、昭和30年代にハンセン病に対するそれまでの認識の誤りが明らかとなった後も、改められませんでした。
そしてこれは平成8年に「らい予防法の廃止に関する法律」が施行されるまで続きました。
また療養所の中では、入所者を断種させたり、子どもの強制的な中絶、入所者を監房に閉じ込めるなど、強制隔離のほかにも多くの人種侵害がありました。
ハンセン病元患者の方々の今
現在、日本には国立・私立を合わせて14か所のハンセン病療養所があり、720人の元患者が入所しています。(令和6年5月1日現在。)平均年齢は88歳を越えており、後遺症による身体障がいや加齢も加わって、介護を必要とする人が多くいます。
ハンセン病が治ったにも関わらず、故郷に帰ったり、社会に復帰することを難しくしているのは、長い間隔離されたまま高齢を迎えたことによる様々な事情と、ハンセン病に対する偏見や差別への不安があるからです。
平成20年6月に、ハンセン病元患者等の福祉の増進と名誉の回復を目的として「ハンセン病問題の解決の促進に関する法律」が、令和元年11月に「ハンセン病元患者家族に対する補償金の支給等に関する法律」が制定されました。
また、ハンセン病の患者であった方々の追悼、慰霊及び名誉回復のため、平成21年度(2009年度)から、ハンセン病療養所等入所者等に対する補償金の支給に関する法律の施行日である6月22日が「らい予防法による被害者の名誉回復及び追悼の日」と定められています。
私たちは元患者の方々や家族に対する偏見や差別をなくすために、この問題が人権問題であるということを正しく認識し、ハンセン病やそのたどってきた歴史について正しい知識をもち、解決のために努力する必要があります。
関連リンク
- ハンセン病に関する情報ページ(厚生労働省のページに接続します)
- ハンセン病特定配偶者等支援金制度について(新潟県のページに接続します)
- ハンセン病患者・元患者やその家族に対する偏見や差別をなくそう(法務省のページに接続します)
- 旧優生保護法に関する補償金等支給請求の受付・相談窓口について(新潟県のページに接続します)
- 旧優生保護保護法補償金等に係る特設ホームページ(こども家庭庁のページに接続します)