プロフィール
大城 けんじ(おおしろ けんじ)
出身:ペルー
UIターン前の居住地:神奈川県
現在の居住地:妙高高原地域/矢代地域
年齢:40代
仕事:自営業
経歴:会社員
移住年:2019年
大城こなつ(おおしろ こなつ)
出身:青森県
UIターン前の居住地:神奈川県
現在の居住地:妙高高原地域/矢代地域
年齢:30代
仕事:自営業
経歴:会社員
移住年:2019年
雪のシーズンに入ると、国内外からのスキーヤーやボーダーで賑わう「赤倉観光リゾートスキー場」。そのスカイケーブル乗り場まで徒歩5分という好立地でゲストハウスを営んでいるのが、今回お話を聞いた大城けんじさん、こなつさんご夫妻です。 妙高市との出会い、ゲストハウス開業までの道のりから、移住後の暮らしについてお話を伺いました。
「ゲストハウスをやりたい」その気持ちが繋いだ妙高との縁
移住前は神奈川県で会社員として働いていたお二人。当時、旅が好きでよくゲストハウスに泊まっていたと言います。
けんじさん(以下敬称略)「ゲストハウスに泊まっているうちに、いつか自分たちもやりたいなと思うようになりました。はじめは海の近くで考えていたのですが、スノーボードにハマってからは雪山もいいかなと思い始めたんです。」
こなつさん(以下敬称略)「友達の友達が妙高市でゲストハウスをやっていて、どんな感じでやっているのか話を聞きに来たんです。妙高市に来たのはそのときが初めてだったのですが、話を聞いてここがいいなと思いました。それが5月のことで、その後話が進み、雪は見ずに移住を決めることになりました。『雪がたくさん降るよ』という話は聞きましたけど、あまり不安には思っていなかったですね。」
話を聞いたゲストハウスのオーナーから、空き家を探すなら市役所の空き家バンクに問い合わせるとよいとアドバイスをもらったお二人。早速、市役所へ連絡をして、物件を紹介してもらいました。そのとき、ちょうど新規に登録された物件があり、見せてもらったというのが今の住まい兼ゲストハウスでした。
こなつ「スキー場が近いことと、物件のサイズもちょうどよかったことが、私たちの希望にぴったりでした。」
他にも空き家を見学しましたが、この家以上に条件の合う家はなかったと言います。
夢を叶えるためには、まず行動を。
物件探しの他に、移住に向けてどんな準備をしたのでしょうか。
けんじ「移住する為というより、ゲストハウスを始める為の準備をしました。自営業をやっている人や過去に経験のある人、宿泊施設やシェアハウスをやっている人に実際に話を聞くために会いに行きましたね。」
こなつ「ゲストハウスをやるということは、初対面の人たちとその場で関わり合うということ。私は話が苦手なので、お客様とのやりとりに不安がありました。とはいえ、まずは行動に移さないと何も始まらないと思ってヒッチハイクに挑戦したんです。ヒッチハイクってお願いして拾ってもらうから、車内で寝るわけにもいかないし、必然的に話さないといけないじゃないですか。」
けんじ「自分はネットで情報を調べるタイプだったから、はじめはヒッチハイクなんて行きたくなかったんです。でも、こなつが『人に聞いた方がいい、ネットに載っていないことも世の中にはあるから』と言うので、一緒に行きました。やってみた結果、すごく楽しかったですね。」
こなつ「神奈川から九州まで、往復ヒッチハイクをしました。楽しかったのと同時に、自分たちにとってすごくプラスになりましたね。人と話すことに苦手意識があったけれど、私できるじゃんって自信につながりました。中には、もちろん苦手なタイプの方もいましたし、人との相性ってあるなと思いました。でも、それがわかったからこそ、今に生かせていると思います。」
地域内外の人との関わりに支えられて
その後、会社勤めを続けながら妙高市へ通い、2019年の10月に正式に引っ越し。住みながら壁や床を自分たちでリフォームし、その年の12月に念願のゲストハウスをオープン。それから4年間、さまざまなお客様を迎えてきました。
こなつ「ゲストハウスを始めてよかったなと思っています。いろんな人と関わり合うことができて、『よかった』とか『ありがとう』とか言ってもらえるのはうれしいし、また頑張って仕事しようとモチベーションが上がります。」
けんじ「世界各国からお客さんが来て、いろいろな地域や仕事の話を聞くのも面白いんですよ。」
またゲストハウス以外でも、新しい人とのつながりができたと言います。
けんじ「妙高市に来てから、同じように移住した方と友達になることも多くて。神奈川で暮らしているときよりも、たくさんの友達ができました。」
こなつ「地域の人たちからも声をかけてもらったり、野菜を分けてもらったり、優しくしてもらっています。妙高市での暮らしは不便なこともありますけど、やっぱり移住してよかったなと思います。」
移住して知った習慣の違い
都会と田舎の習慣の違いに、驚いたこともあると言います。
こなつ「最初に地域の草刈りに参加してって言われて、手袋とゴミ袋だけ持って行ったんです。そうしたら皆さんは草刈り機を持ってきていて、びっくりしました。『そんなんじゃ何もできないよ』って言われましたね。都会だと地域の共同作業って、落ち葉掃除とか草むしりなんですよ。」
けんじ「しかも朝6時開始。半分寝たままの状態でやっています。」
そう笑いながら話すお二人は、習慣の違いに驚きはあっても特段負担に思うことはなかったと言います。 それは、負担以上に移住してよかったことの方が多いからなのかもしれません。
新たな拠点で始まるチャレンジ
妙高高原地域で、暮らし・仕事のベースができてきたお二人は、今新たな拠点を構えています。場所は同じ妙高市内の矢代地域。田園風景が広がる、のどかなエリアです。ここに一軒家を購入し、市内で二拠点生活を始めました。
けんじ「家のリフォームをしていると、周りの人たちがよく話しかけてくれて、地域の集まりに呼んでくれたりもします。皆さん賑やかというか、前向きだなって思います。」
宿泊施設や別荘が並ぶ妙高高原地域と比べて、矢代地域は昔からあるご近所同士の関わりが濃いエリア。地域の方と触れ合う中で、今までにはなかった発想も湧き出てきたと言います。
こなつ「周りに田んぼがたくさんあるので、農業体験や地域の方と関われる体験もお客様に提供してみたいですね。農道でサイクリングをするのも気持ちよさそう。」
妙高市で過ごす日々を重ねる中で、お二人のやりたいことも増えています。
雪かきの覚悟さえあれば大丈夫
最後にこれから移住を考えている方に向けて、メッセージをいただきました。
けんじ「雪かきの覚悟さえあれば、すごく心が落ち着くところです。温泉も近くにあるし、車で30分走ればチェーン店や衣料品店、家電量販店などが並ぶ市街地エリアもあります。生活面でも特に不便はないですよ。」
こなつ「自然の中でゆっくり過ごせるところが一番気に入っています。雪は大変ですけど、嫌ってことはないですね。」
穏やかな雰囲気の奥にある「やりたいことに貪欲に突き進む姿勢」「何事も前向きに捉えるしなやかさ」。お二人が地域の方やゲストハウスのお客様に愛される理由はそこにあるのかもしれません。
目指す暮らし、やりたい仕事に向かって、一歩踏み出す勇気。その一歩が次のステップへとつないでくれることをお二人の姿は示してくれています。
■お二人が営むゲストハウス
■移住者が利用できる補助制度
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