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UIターン者の声

雪国だからできる、自分らしいライフスタイルのつくりかた

茂木佑泰さん

プロフィール

茂木 佑泰(もぎ ゆうたい)

出身:神奈川県

UIターン前の居住地:神奈川県

現在の居住地:妙高高原地域

年齢:30代

仕事:大工

経歴:会社員

移住年:2020年

妙高市には、スキーやスノーボードをきっかけに移住した方がたくさんいます。今回ご紹介する茂木佑泰さんもその一人。趣味だったスノーボードも今では暮らしの一部となり、遊びや仕事、生活が重なり合う、境界線のない暮らしを楽しんでいます。

スノーボードだけじゃない、妙高の魅力

神奈川県出身の茂木さんは高校卒業後、地元の会社に就職しました。正社員として働き、安定した収入を得ることが当たり前という周りの雰囲気を感じながらも「自分の人生、好きなことをやりたい」と7年間勤めた会社を思い切って退職。趣味で楽しんでいたスノーボードに携わる仕事を始めます。その仕事先が妙高市のスキー場でした。妙高市へはスノーボードをしに何度も通ったことがあり、知り合いもいた縁でパークディガー(注1)として働き始めます。

妙高市で友人とスノーボードを楽しむ

(画像提供:茂木佑泰)

当初、冬以外の季節は海外に行き、農業やスキー場での仕事に携わりながら暮らしていたと言います。そんな生活を2,3年続けた後、新型コロナウイルスの流行で海外に行けない日々が始まったのです。

「雪のシーズンが終わった後、神奈川に戻ったところで仕事はないし、このまま1年妙高にいてみようと思いました。」

はじめは軽い気持ちで過ごしていたと言う茂木さん。いつの間にか自然の魅力や出会った仲間とのつながりが自身の人生にとって大切なものとなり、気付いたときには家を買い、移住していたと言います。

茂木さんの家

(画像提供:茂木佑泰)

「雪が解けると、ちょろちょろと水が流れる音があちこちで聴こえるんです。川の水量が多くなってきたなと思うと、山には新しい芽が出てきてどんどん大きくなっていく。秋になって紅葉したと思ったら、山の上からだんだんと白くなって、また雪の季節がやってくる。一年があっという間に巡るのですが、その一つひとつの変化が面白いんです。」

雪のある暮らしが教えてくれること

四季がはっきりしている雪国で暮らすからこそ、気付いたこともあります。

「都会では安定した職や収入を求めている人がほとんどでした。でも妙高市では冬場はスキー場で働いたり、除雪の仕事をしたり、季節によって別の仕事をすることが普通でした。その感覚は僕にとってとても魅力的だったんです。」

茂木佑泰さん

毎年雪に覆われる妙高市では、冬になると農業や大工など、除雪以外の外仕事はできなくなります。茂木さんもグリーンシーズンは大工、冬はスキー場や除雪、ロッジの手伝いなど様々な仕事を掛け合わせて暮らしてきました。

また、仕事だけではなく生活レベルでも行動に制限が生まれることが。雪が多い日は出かけるにも時間がかかるし、除雪をしなければ家が潰れてしまうため旅行にも行きづらくなります。一見、できないことばかりが目につきますが、できないことがあるからこそ「今本当に必要なことなのか」を一歩立ち止まって考えることができるのかもしれません。

「毎日やることに追われて、周りが見えなくなることってあると思います。でも『それって本当にやらなきゃいけないの?』と問うてみることってなかなかできないと思うんです。妙高市に来て、雪の中で生活して、周りの人たちの生き方を見ているうちに、あきらめも肝心だなと思えるようになりました。やらないことを決めると、自分にとって本当にやりたいことが何なのか見えてくるようになったんです。」

チャレンジしやすい環境は、自分自身から

自らDIYした玄関

▲自らDIYした家の玄関。手をかけた分、愛着が湧く。

「今年は借りている畑でニンニク作りに挑戦しています。うまくできれば友人に配ったり、売ったりもしてみたいですね。セルフリノベーション中の家も民泊として開いていきたいなと思っていて。場所があって、管理さえしていれば、面白いことができる。そういう小さなチャレンジが遊びの延長でできるのも、妙高暮らしの魅力です。」 

妙高市には、遊休地がたくさんあります。とはいえ、見ず知らずの移住者が場を得ることは簡単なことではありません。茂木さんが場を持つことができているのは、地元の方とのつながり、そして茂木さん自身のあり方があってこそです。

「妙高市に来た当初はシェアハウスに住んでいました。自治会にも入っていなかったし、地域の方と接する機会はほとんどなかったんです。ただ、僕は木工が好きで、よく家の前で作業をしていました。そのとき、家の前を通るおじいちゃんおばあちゃんに挨拶をしていたんです。それからいろいろお話をするようになり、家を探していると相談したら今住んでいる家を紹介してくれたんです。今の暮らしは、人付き合いありきのライフスタイルですね。」

コンポストがある庭

▲コンポストで作った堆肥は野菜作りに活用。循環する暮らしを楽しむ。

今でも茂木さんが家を直したり、畑作業をしていると、散歩がてらおじいちゃんおばあちゃんが様子を見に来てくれます。おすそ分けを持ってきてくれたり、アドバイスをくれたりと見守ってくれるのは、茂木さんの素直さとチャレンジする行動力があってこそ。

「近所の方たちが、自分のやっていることを面白がってくれるのなら、それも続ける理由になるなって思ってます。都会と比べて、人と人との距離は近いですけど、みんなでみんなを見守っている、そんな感覚です。」

スノーボードは人生の一部。境界線のない暮らし。

海外の友人を妙高市に案内

(画像提供:茂木佑泰)

今後、生業の1つとして、民泊を運営していく茂木さんには、ある思いがあります。それには、今までの人生で出会った人やものごとが大きく影響しています。

「自分自身がいろんな場所を旅して、宿で様々な人に出会って、心に残る思い出がたくさんできたんです。僕自身、海外に行くことや仕事を辞めることに対して、なかなか一歩を踏み出せない時期がありました。身近にそういう人もいなくて、相談もできなかった。だからこそ同じような悩みを持っている若者の窓口になりたいなと思っています。自分が得た経験をシェアできる場、そして出会いの場を作りたいんです。」

最後に移住を検討している方へメッセージをいただきました。

「冬は朝1時間だけ滑ってから仕事に行くこともあります。スノーシューを履いて森の中を少し歩けば、全く違う景色にも出会えるし、雪壁の中でバーベキューもできます。自然が好きな方なら、雪の楽しさを見出せると思いますよ。」

日々移り変わる四季とともにある暮らし。それは、ある意味大変なことかもしれません。一方で、その面白さを見つけることができれば、茂木さんのように自分のやりたいライフスタイルを叶える最高の場所になるのではないでしょうか。

(注1)スキー場内のキッカーやレール等があるパークの造成、管理をする仕事。

 

  • 茂木さんのインスタグラム

個人アカウント copn_yutai

宿アカウント myoko_life

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