移住・定住ホームUIターン者の声ソファー職人からコーヒー店主へ。自然豊かな妙高でスノーボードを楽しむ暮らし

UIターン者の声

ソファー職人からコーヒー店主へ。自然豊かな妙高でスノーボードを楽しむ暮らし

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プロフィール

小林 悟(こばやし さとる)

出身:福井県

移住前の居住地:福井県

現在の居住地:新井地域

年齢:40代

仕事:自営ス(自家焙煎コーヒー店)

経歴:ソファ製造

移住年:2024年

 

出身地の福井県で長年勤めていたソファの製造販売会社を退職し、妙高市に移住した小林悟さん。安定した収入を手放して夢だった自家焙煎のコーヒーショップ「Rucchi Coffee Roaster」を開店。自由に趣味の時間を楽しめる生活を手にした反面、その裏にあるジレンマなど夢と現実のギャップのお話や、今後やりたいことなどを語っていただきました。

移住のきっかけ

福井県で約30年間、ソファメーカーで製造に携わっていた小林さん。自分が作ったものに対して、ソファの座り心地などについてお客さまからの反応が見えないことや、「売って終わり」の仕事に次第に物足りなさを感じるようになったといいます。そして燃え尽き症候群のような感覚ももちあわせ、「この仕事はもう十分やったのではないか」と考えるようになったそうです。

もともと「いつか福井を出て、別の土地で暮らしてみたい」という思いがご夫婦の中にはあったそうですが、そんな折、奥様が妙高を訪れる機会があり、宿泊した山の近くにあるホテル周辺の景観や、目に入ってくる景色など、自然がとても近くにある妙高を気に入ったそうです。

帰宅後、早速、妙高のことを悟さんに伝えた奥様が妙高についてインターネットで調べました。妙高市の公式ホームページから空き家バンクを見つけ、ひとつの物件に目が留まったことが移住の転機となったそうです。

その物件は現在の小林さんのお住まい兼仕事場。

「コーヒーショップを始める場所として、『駅前という立地』、『駐車スペースの確保』、『周りにはコーヒー店が少ない』と好条件が整っていました。建物自体も建築士の資格がある義父から『安全については大丈夫だろう』と言ってもらえたんです。空き家バンクへの問い合わせのタイミングが良かったこともあって、家の購入の話がスムーズに進みました。移住は定年後にできればいいと思っていたのに、夏に空き家バンクに問い合わせて、その年の年末には家族で妙高にいましたからね。」と、移住はトントン拍子に進んだようです。
 

コーヒーとの出会いとショップ開店まで

実は小林さん、もともとコーヒーは飲めなかったそうです。コーヒー屋さんにはそういうかたは少なからずいるというから驚きですが、小林さんがコーヒーを飲めるようになったのは、小学2年生のお嬢さん(取材時)が生まれた後だそうです。

転機はスノーボードとキャンプでした。当時小林さんが着ていたスノーボードウェアのメーカーのかたが公開していた「山で淹れるコーヒー」の動画に影響を受け、自分でもコーヒーを淹れてみようと思い立ちました。

家や奥様の実家で眠っていたグラインダー(※1)やパーコレーター(※2)を引っ張り出し、動画を見ながら初めて自分で淹れたコーヒーの味は…「美味しくなかったです!」とのこと。

その後キャンプで何度かトライしていたそうですが、偶然出会った一杯のエチオピアコーヒーに衝撃を受け、「本当においしいコーヒーがある」と知ったことが原点となり、YouTubeを見ながら独学でコーヒー豆の焙煎を始めたそうです。

ゆくゆくはコーヒーショップをやってみたいと思うようになり、焙煎技術トレーナーの中村元治さん(COFFEE ROASTER NAKAJI)にオンラインで師事。月に一度、焙煎したコーヒー豆とそのデータを中村さんに送っては講評を受けるスタイルの学びを一年続け、ある段階で「自信を持っていい」と言われるまでに。

※1)コーヒー豆を挽く道具
※2)直火式のコーヒーを抽出する器具

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移住後は福井の知り合いに通ってもらい、元店舗だった家の一部をコーヒーショップに改装し、移住してから1年弱を経た2025年の12月に念願の「Rucchi Coffee Roaster」をオープン。

お店で提供するのは、選び抜いて購入したコーヒー豆を小林さん自身が焙煎し、オーダーを受けてから豆を挽いてハンドドリップで淹れるコーヒーです。そして、福井の知人から取り寄せている焼き菓子や、自家製の週替わりスイーツ等々、どれも妙高ではRucchiでしか味わえないものばかりです。

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「コーヒーに正解はない。誰かの正解はあるけれど、その正解はみんなの正解じゃない。人それぞれ好みがあるから自分がおいしいと思っても、それが好みじゃない人もいるかもしれない。だから自分が提供しているものを『おいしい』と目の前で言ってくれれば安心するんですよ。コーヒーは難しいです。」と、真摯に、そして謙虚にコーヒーに向き合っている様子がうかがえました。

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移住後の苦労

「やっぱり豪雪地帯の雪、特に除雪の大変さは想像以上でした」と、苦労話の筆頭は雪についてでした。お店の広い駐車場は常にきれいに除雪されていますが、まだ開店後初めての冬にもかかわらず、除雪機は数回修理に出されたそうです。駅前とはいえ車社会の妙高にあるお店に、駐車場は必須です。しばらく続いた冬将軍の居座りに豪雪地帯の洗礼を受けたそうです。

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(画像提供:小林 悟)

また、田舎特有の人間関係にも身構えていたそうですが、実際は家の売主、近隣住民、商工会など多くの人が温かく迎えてくれ「よそ者扱い」はまったくなかったといいます。

お店の開店後はローカル誌やメディアにも取り上げられ、インスタグラムのフォロワーも急増。地元客や週末の若い世代、さらには海外からの来訪者まで訪れているそうで「受け入れてもらっているようで、とてもありがたい」と話す小林さんでした。

今後の悩みは「人の流れ」。冬は特に通行量が少なく、経営の安定には工夫が必要だと感じています。それでも、自分で開店時間を調整できる自由は自営業の魅力のようで、冬は朝活と称する早朝スノーボードを楽しみ、店を開ける時間を遅らせることもあるそうですが、SNSを活用して開店時間をお知らせできているので、固定客からも「今日、滑ってきたんでしょ?」と言われ、店主の朝活は認知されているようです。

雄大な大自然の中で暮らせる心地よさ

コーヒー以外の楽しみは、前出のスノーボードとキャンプ。

「妙高はキャンプ場が近場に多くあるところが気に入っています。それと、なんといっても目の前に百名山があるっていうのは大きいですよ。子供を学校へ送っていくときに雄大な景色が目に飛び込んでくるのがとてもいいですね。家からは市役所にさえぎられて妙高山は見えないけど(笑)。」と妙高のシンボルが暮らしの風景の一部になっている喜びを話してくださいました。

東京や実家へのアクセスも良く、妙高の立地のバランスにも満足しているそうです。

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(画像提供:小林 悟)

移住前に気にしていたのは食べ物のことでした。「雪国だと保存食っぽくなるから、もっと塩辛いのかなぁとか、みそやしょうゆの味が変わったりするんだろうなとか構えていたんですけど、大きな違和感はなかったですね。」と、妙高の味をすんなり受け入れられたとか。

そして、米のおいしさにも驚いたと言います。福井にいた時も奥様の実家からおいしいお米を買っていたそうですが、妙高の米はそれを上回る味だったようです。

ただ、福井の食文化である「冬に食べる水ようかん」がないことが物足りないそうです。

今後やってみたいこと

起業して間もない小林さんに、仕事や趣味の他にやってみたことを伺うと

「移住希望者の力になれたらいいですね。自分たちは比較的スムーズに移住することができたと思うから、参考になることは多くはないかもしれないけれど、経験を伝えることはできると思うんですよ。」と、嬉しいお答えをいただきました。

コーヒー店の経営を軸にしながら、副業や地域への関わりも模索中のようです。「せっかく妙高に移住してきたのだから、ここに何か爪跡を残したい」と静かに語ってくださいました。

妙高市へ移住を考える人へのアドバイス

「妙高で住むなら雪を甘く見ないこと。山の近くに住む場合は除雪の大変さを理解し、できれば冬にも現地を訪れた方がいいと思います。スキー目的で移住を考えているなら、ホテル勤務など安定収入の道も検討すべきだろうし。理想だけでなく、日常の実際に生活することを具体的にイメージした方がいいですね。」と、非常に現実的なメッセージをいただきました。

偶然のようでいて、いくつもの縁が重なった移住とコーヒーショップの開業。小林さんの物語は、妙高という土地で、これからも焙煎され続けていくことでしょう。

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■小林さんのお仕事

Rucchi Coffee Roaster (ルッチ コーヒー ロースター)
自家焙煎珈琲店
 

■移住者が利用できる補助制度

・妙高市で家を購入、増改築する際に利用できる補助金はこちら

妙高市家族と環境にやさしい住宅取得等支援事業補助金

 

・妙高市で賃貸住宅に入居する際に利用できる補助金はこちら

妙高市UIターン促進住宅支援事業

 

・東京圏から妙高市へ移住した方が利用できる助成金はこちら

妙高市移住支援事業助成金

 

■妙高市で起業を考えている方が利用できる補助金

夢をかなえる企業応援補助金

 

■妙高市で空き家を探している方はこちら

妙高市空き家バンク

 

■妙高市への移住に興味のある方はぜひご利用ください。

空き家見学ツアー(移住体験ツアー)