移住・定住ホームUIターン者の声未知の土地「妙高」で一棟貸しの管理運営

UIターン者の声

未知の土地「妙高」で一棟貸しの管理運営

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プロフィール

山内 佳奈子(やまうち かなこ)

出身:宮城県

UIターン前の居住地:東京都

現在の居住地:妙高高原地域

年齢:30代

仕事:一棟貸し別荘の管理運営

経歴:理学療法士

移住年:2024年

 

今回ご紹介するのは、仙台生まれで、長く東京で暮らし理学療法士だった山内佳奈子さん。なぜ妙高に移住し、一棟貸しの宿泊施設の管理運営をするようになったのか、初めて迎えたウィンターシーズンでの苦労話、スタッフの雇用、今後の運営などについて、宿泊施設の一つ「グリーンベル」で話を伺いました。

妙高移住のきっかけと経緯

山内さんは信頼するママ友から「いまキテル場所」のひとつとして「妙高」を教えられたのをきっかけに、それまで聞いたことがなかった妙高を調べました。調べていくうちに、外国人に人気が出始めているウィンターリゾート地であること、小雪傾向にある昨今でも妙高はもともと豪雪地帯であることなどに可能性を感じ、妙高で不動産物件を探し始めました。
そのころの山内さんの生活基盤は東京でしたが、妙高には民泊や旅館業を代行管理する会社がなく、「自分で出資して、自分でやってみたらどうか」と勧められたことをきっかけに移住を意識するようになりました。東京では、朝早くから深夜まで働くことも苦ではなかったそうですが、田舎でゆっくり働くことで子どもとの時間を確保できることにも魅力を感じ、妙高への移住の思いが強くなりました。事業を始めるにあたって必要な初期資金確保もめどが立ち、お子さんもあっけなく移住に賛成してくれ、妙高に移り住むことを決めたそうです。その決断までは20分足らずだったそうです。 

「後から来た者」として、感謝と覚悟で地域に根づく

物件を購入し、会社設立、出資・株式の調整などを進め、事業をスタート。東京暮らしでは必要なかった車の運転免許も取得し、妙高に親子で移住。まずは購入した物件のリノベーションを進めながら次なる物件を探しました。早い段階からスタッフのための住居も探していたのです。

妙高で宿泊事業を始めるにあたり、「もし失敗しても自分一人なら何とかなる」という覚悟だった山内さんですが、従業員を雇うことで「雇用を守る責任」が生まれ、「絶対に成功させなければ」と自分の中の意識が変化し、従業員の生活を支えるという責任感が仕事への姿勢や覚悟を大きく変えたそうです。
「事業をスタートしたころは、開業準備に追われて寝る間もないほどで、慣れない土地や仕組みに適応することに苦労した面が大きかった」といいます。

地域のかたからは、まだ起こっていないトラブルについても事前に強い口調で注意を受けたこともあったそうです。とはいえ、支援してくれる人もいて、双方の思いを理解したうえで丁寧な対応が必要だと意識し、地域のかたとのコミュニケーションは感情的にならず、ローカルルールを教えてもらうんだという立場で接したそうです。時には東京土産を渡すなどして、地域に馴染むための気遣いも忘れませんでした。

地方で宿泊施設を始めるうえでの心構えとして山内さんが最も強調するのは「ご近所への感謝を忘れない姿勢」だといいます。地方に住むということは、その地域に根づいた文化や慣習に“後から来た者”として入るということ。非効率に思えても文化を変えるのではなく、まずは自分が受け入れる姿勢を持つべきだと語ってくれました。

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『ここに来たら変わることができる』スタッフの居場所をつくりたい

シングルマザーなどへの就労・住居支援をしたいという思いが山内さんにはあります。特に子育てや介護などで就労が難しい人で、能力があっても働けない現状を変えたいといいます。

また、すでに住居を提供している社員は、もともと赤倉で出会ったキッチンカーで働いていた人たちで、彼らの厳しかった労働環境を含めいろいろな話を聞いているうちに、「それならうちで働かないか」と山内さんから声をかけて、雇うことになったそうです。

「自分が生まれ育った環境はラッキーで、いろんな人に助けてもらった。その恩をその人たちに返せない代わりに“次の誰か”へ恩を送る」ため、山内さんは他にも物件を購入し、社員寮として提供しています。
「払える給与は高くないが、食費や光熱費が不要なため、社員の手元に残るお金は多い。働いた分を貯金に回し、将来的な独立や挑戦の『踏み台』にしてもらいたい」と話します。

社員とは単に仕事上の付き合いだけでなく、社員教育を超えて生活まるごとサポートともいえる関りを持ち、安心して働ける環境を提供していると感じました。

子どもの戸惑いと成長——妙高のあたりまえに触れて

すんなり移住に賛成してくれたお子さんでしたが、地域の文化や言葉の違いが戸惑いにつながる場面もあったそうです。

特に、東京の小学校では禁止されていた乱暴な言葉遣い、例えば妙高の方言の「『バカ』いっぱい」(「すごく」いっぱい)に代表されるように「バカ」ということばを頻繁に耳にすることに違和感を持ったそうです。物理的な押し合いが妙高の学校では普通に見られることに驚き、戸惑っている様子だったといいます。それでも、お子さんがいじめアンケートにびっしりと自分の思いを書いたり、先生に電話で直接その内容を説明したりするなど、しっかりと自己表現する力が子どもについていることに山内さんも驚いたそうです。

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宿泊施設運営の工夫と課題

管理運営している一棟貸しの貸別荘は、無人チェックイン、キーボックスの活用など、都市型の民泊スタイルを導入。外国人客の長期滞在を想定してキッチンや洗濯機を完備し、人気のサウナも設置しています。宿泊価格は市場調査に基づいた金額を設定し、海外顧客をターゲットにしたことで高単価でも予約を獲得できているそうで、運営は順調なようです。

ただ、初めて迎えたウィンターシーズンは、大雪に見舞われ、雪によるトラブルや除雪、雪国の地方ならではの難しさも感じたそうです。例えばサウナを設置しているウッドデッキでは、下屋が足りずにウッドデッキに雪が積もってしまい、除雪が必要になるという事態が起きたとか。次の冬に向け、屋根の延長工事も行う予定だそうです。
 

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妙高を楽しむためのアイデア

グリーンシーズンの集客戦略を訪ねると、BBQと川を軸に、ピザ窯や五右衛門風呂を導入したり、エアー滑り台を設置したりとファミリー向けの体験型アクティビティの整備を考えているといいます。別荘から見下ろす位置にある川へ降りる道も整備したり、ウッドデッキにはハンモックベンチを設置したりして、妙高の最大の魅力の一つである自然や満天の星を満喫できるようにするなど、山内さんのアイデアが形になっています。

また、妙高のウィンターリゾートの玄関口である妙高高原駅が交通系ICカードに対応できたら、妙高高原駅の近くでレンタカー業もやってみたいといいます。どんなに事前にお願いしても四駆で来ないお客様がいるので、彼らを対象にした構想は膨らんでいます。

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これからの展望

「今後はトレーラーハウスを活用して安定した収入源をつくりたい。そして、土地を購入し、道路が効率的に除雪しやすくなるよう整地を考えている」そうです。除雪が楽になるのはご近所さんにとってもありがたいことですし、宿泊施設へのアクセスも便利になるため、関係者すべてがウィンウィンになりそうです。

今後も潜在力のある物件を購入し、管理物件数を増やしていきたいそうですが、「社員用にマンションも建てたいですね。マンション管理の仕事も含めて、住み込みで働ける環境を整えられたら」と思いを語っていました。山内さんの投資が多くの人にとっていい方向に向かうことを期待してしまいます。

以前占い師に言われた通り、「東京では新幹線のようなスピードで進んでいた日々の生活でしたが、妙高での挑戦は飛行機のようなスピードで進んだ1年だった」と山内さんは振り返っています。

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■移住者が利用できる補助制度

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