プロフィール
浅野 佳永子(あさの かえこ)
出身:妙高市
UIターン前の居住地:宮城県
現在の居住地:新井地域
年齢:30代
仕事:個人事業(キッチンカー)
経歴:アルバイト(接客業)
移住年:2023年
2023年に地元である妙高市へ家族でUターン移住した浅野さん。現在は地場産品を使った米粉蒸しパンなどを販売するキッチンカー「移動茶房お茶っこ庵」を運営しています。Uターン移住を決めた理由や「移動茶房お茶っこ庵」の開業についてお話を伺いました。
宮城での暮らしと、地元愛に溢れた人々との出会い
東京に憧れ、進学を機に上京し就職した浅野さん。その後結婚し、夫の転勤で2018年に宮城県の田舎町に移住しました。約4年半を過ごす中で、浅野さんは「飲食店やキャンプ場での仕事、町主催のマルシェの実行委員への参加など、様々なことにチャレンジした」と言います。
「宮城での暮らしはすごく刺激的でした。移住したところは、何もない場所だと思っていたけど、情熱的に地元の魅力を発信している人たちに出会って、いろいろと宮城の魅力を教えてもらいました。」
地元愛に溢れた人々の活動を見て、浅野さんも「宮城や東北の魅力を発信したい」と思ったそう。
妙高へのUターンを決めた理由
宮城で刺激的な日々を過ごしていた浅野さんですが、2023年の春、地元である妙高市へ家族でUターン移住しました。その理由は何だったのでしょうか。
「いずれは都会ではなくて、夫婦どちらかの地元か、どこか田舎でゆっくり過ごしたいなと考えていました。転勤族だったので、あちこちに子供を連れて行くのも大変だし、やっぱりどこか定住する場所を決めようとなりました。自分の地元であれば土地のことも知っているし、実家の隣で暮らすことが出来るので、両親ともお互い助け合えるかなと思い、妙高に戻ることに決めました。」
妙高市への移住について、ご家族の反応は。
「主人は協力的で、嫌と言わないで一緒に来てくれました。子供たちも、私の両親も一緒に住めるのをすごく楽しみにしていたので、移住についてはすごくスムーズに決まりました。」
店名に込めた思いと夢
定住の地を決め、地元にUターンした浅野さんは「何かやりたい」と漠然と考えていたそう。そこで、宮城で出会った人々の活動を思い出しました。
「妙高や上越には何もないと思っていたのですが、地元に戻ってからすごく魅力があるということに気づきました。宮城で教えてもらった東北の魅力と、妙高の魅力を一緒に発信できないかなと考えました。」
2024年9月、浅野さんは地場産品を使った米粉蒸しパンやドリンクを販売するキッチンカー「移動茶房お茶っこ庵」の営業を開始しました。
「飲食店で働いていた時に、人と関わる中で楽しさややりがいを感じました。また、母は昔からカフェをやりたいという夢があったので、おいしいものを作って発信できたらいいなと思い、キッチンカーをやろうと決めました」
「お茶っこ」は東北地方の方言でお茶のみを意味するそうです。「移動茶房お茶っこ庵」という店名には浅野さんの思いとお母様の夢が詰まっています。
(画像提供:浅野佳永子)
キッチンカーで届ける魅力的な商品
思いと夢が詰まった「移動できるお店」を始めた浅野さん。店舗ではなく、キッチンカーにした理由を伺いました。
「お店を構える事も考えたのですが、妙高は車が必要不可欠な地域で、お店まで来るのが大変な人もいると思いました。キッチンカーなら、自分から出向くことができるし、よりたくさんの人に知ってもらい、商品を味わってもらえるのではないかと考えました。」
「移動茶房お茶っこ庵」では米粉を使用した蒸しパンを販売しています。「蒸しパン」にした理由も教えていただきました。
「宮城で食べて衝撃を受けたのが、お餅でした。とても柔らかくて、新潟のお餅もおいしいですが、それとはまた違ったおいしさでした。タレも醤油やみたらし、あんこと同じくらい『ずんだ』が定番で、あとは変わり種で胡桃もあって。それをモチーフに何かできないかなと考えました。」
しかし、お餅は時間が経つと固くなってしまうため、浅野さんは「米粉で何かできないか」と考え、米粉を使った蒸しパンを思いつきました。
▲蒸しパンと豆乳シェイク(ずんだ&くるみ)。蒸しパンは月ごとに味のラインナップが変わります。※蒸しパンは8大アレルゲン不使用(一部を除く) (画像提供:浅野佳永子)
何も知らないからこそ、一歩踏み出せた
キッチンカーという営業方法にも、商品にも沢山の思いが詰まっている「移動茶房お茶っこ庵」。開業するにあたり、大変だったことを伺いました。
「キッチンカーを始めると決めましたが、お菓子のこともお店の経営のことも何も知らない素人の状態で、何から始めたらいいか分かりませんでした。自分でいろいろ調べなければならなかったのは大変でした。でも、何もしらない状態だったからこそ、身構えずに一歩踏み出せたのかなと思います。」
大切にしていることは、まず『やってみる』こと
宮城でも妙高でも、いろいろなことにチャレンジしている浅野さん。最後に自身の暮らしで大事にしている事を伺いました。
「もともとは頭で考えて、なかなか一歩が踏み出せないタイプでした。宮城にいた時に、マルシェをやってみたいと考えていたことがあったのですが、そのことを相談したら『失敗しても良いから、やってみなよ』と言ってくれた方がいました。それをきっかけに、気になることがあれば、まずはちょっと手を出してみるとか、やってみるように心がけています。」
そんな浅野さんの今後やってみたい事とは。
「お茶っこ庵をもっといろいろな人に知ってもらって、商品を味わってもらいたいです。そのために、自分からあちこち出向いてお届けできたらなと思っています。もっとキッチンカーの良い所をうまく活用出来たらなと考えています。」
これから移住する方へメッセージ
最後に、これから妙高へ移住してくる方へメッセージを頂きました。
「移住してくる方には、新たな視点で妙高の魅力に気づいてもらえると思います。それをどんどん発信してもらえたら、また魅力が幅広く広がるんじゃないかなと思います。自分も、地元にいた時には気づかなかった魅力に気づくことが出来たので、一緒に交流しながら妙高の魅力についてお話ししたいです。」
地元愛に溢れた宮城の人々の活動に感化され、自身も地元である妙高の魅力を発信するために精力的に活動している浅野さん。地元への思いが詰まった「移動茶房お茶っこ庵」の蒸しパンを、ぜひ味わってみてはいかがでしょうか。
■浅野さんの営む「移動茶房お茶っこ庵」
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