Profile
風間 奈々(かざま なな)さん
出身:新潟市
年齢:40代
勤務先:ペンション
経歴:接客業
移住年:2018年
趣味:陶芸
Liam Mugavin(リアム マガビン)さん
出身:オーストラリア
年齢:30代
勤務先:ペンション
経歴:インテリアデザイナー・英会話講師
移住年:2018年
趣味:仕事
新潟市のベーカリーで働いていた奈々さん。
オーストラリアでインテリアデザイナーをしていたリアムさん。
そんな二人が結婚し、妙高に移住を決めたのには実に興味深い理由があった。
また、移住して新たに得た人生観は、これから移住される方も、ひょっとしたら、妙高にずっと在住している方にこそ、知っていただきたい。
歴史と共に、今変わりゆく町だから
【記者】妙高市に移住した経緯を教えて下さい。
【リアム】元々はオーストラリアでインテリアデザイナーをやっていました。その後、英会話の講師として、山形や新潟市で勤務していて、その時に奈々と知り合って。
【風間】私は新潟市のベーカリーで、10年位働いていました。そこでリアムと知り合って、彼がもう一度シドニーでデザインの勉強をしたいという事で、シドニーに行きました。そして2013年に結婚して、日本食レストランやカフェなどで働いていたのですが、シドニーが大きすぎて疲れてしまって。丁度彼もまた日本に行きたいということもあって、色々考えて妙高に来ました。
【記者】数ある選択肢の中で、妙高を選ばれた理由はなんですか?
【風間】そうですね。東京や他のスノーエリア等も考えたのですが、実は最初は十日町にも少し住んでいて、最初は「また雪国かー!」っていうのもあって嫌だったのですけど、住んでみたら・・・ものすごく良かった(笑)。スローで静かな時の流れが、凄く心地良かったのです。でも仕事をしていくという面で、展望が見えず、また、他のスノーエリアは人も多く、物価も高くて飽和状態に感じたのですね。でも妙高はこれからが過渡期だと思ったし、赤倉は温泉街があるのが凄くよかった。
【リアム】そうだね。やっぱり温泉街は大きいです。他の候補地もあったが、その地域の歴史や文化を感じられなかったからね。ここは日本の文化を感じられる。あと私は温泉大好き!!
【記者】なるほど。仕事面や町の文化など、総合的に考えての決断だったのですね。
▲お風呂場からの景色も美しい
自分から行動しなければいけない そこが素敵
【記者】では実際妙高に住んでみてどうでしたか?
【リアム】やっぱり雪が沢山降って、雪質も凄く良い。新潟市に居る頃から何度かスノーボードで来てはいたけど、改めて感じたね。あとは、赤倉は意外と若者も多かったし、オーストラリア人達のコミュニティも大きすぎず、バランスが非常に良かった。
【風間】私は、近所の人が野菜とか旬なものをお裾分けしてくれるのがビックリで。しかもそれが凄く美味しい。新鮮なものを新鮮な空気と一緒にいただく。ほんと肉体的だけじゃなく、精神的にも健康になっている気がします。
【記者】野菜や山菜は新鮮ですよね。逆に不便な事は無かったですか。
【リアム】車が一晩で雪に埋もれた時はビックリしたよ(笑)除雪車が故障したり、しかも丁度風邪も引いてしまって。でもそんな時も、近所の人が助けてくれたんだ。ウチの犬が崖に落ちていた時も、近所の人が「遠吠えが聞こえるけど大丈夫?」って教えてくれたりね。こちらの人々には助けてもらってばかりです。
【風間】本当にそれは感じますね。私達だけでは絶対に無理だったって。だから大変だったのは、自然や雪とかではなく、仕事を立ち上げる為の手続きですね。許可証や大工工事の発注等、全てがゼロからだったので。
【記者】暮らすだけでなく仕事の立ち上げ等、ゼロからは大変ですよね。
【風間】はい。でもそこでもやっぱり近所の方に助けてもらいましたし、ゼロからやることも新鮮だったし、二人の時間が凄く多いし、本質的な会話も出来る。ゆっくり時間が流れていく中で、犬と朝食を楽しんだり、四季の移り変わりを楽しんだり。新たなステップアップした生活スタイルが凄くいいのです。結局、不便な事も慣れると当たり前だし、こっちでの暮らしは、受動的じゃなく自らが行動しなければいけないじゃないですか。そこが素敵ですよね。本当にこんな所に住めてラッキーって思います。
【記者】いやぁ、本当に素敵な考えですね。こちらも刺激受けます!!
▲ゆっくりとした時の中での朝食
海外から見ると、妙高には埋もれた魅力が沢山
【記者】妙高市に対しての要望はありますか?
【風間】んー、私は特に無いですかね。でも市がやっている移住者女子会みたいなのがあって、それはありがたかったです。今でもそこで知り合った方々とは、懇意にさせてもらっていますし。これからも続けていって欲しいですね。
【リアム】私は、もっと地産地消というか、根曲り杉とかこの地域ならではのものを、もっとPRするべきだと思う。
【風間】そうですね。私達日本人から見たら、普通のものでも、彼らからすると美しかったり、興味深かったりするものが沢山あるのですよ。そういった、海外から来る人達にとって、歴史や文化価値が高いものが意外な所にあるから、そこを見つけて欲しいですね。
【記者】なるほど!確かに市や観光協会などで、妙高の魅力を再発掘する取り組みは行われていますが、視線を海外に向けるのは面白い試みですね。
▲根曲り杉のテーブルとスタッフ達
季節の色がある街で、自分のやりたい事をストレスなく
【記者】では、最後に今後移住される方に向けて一言お願いします。
【風間】そうですね、やっぱり自分がやりたい事を、ストレス無く出来るっていうのは大きいですね。人生や自分を見つめ直せますし。あとは、人も本当あったかいし、距離感も丁度いいですね。
【リアム】私が海外から訪れる人達に向けて思うのは、冬はもちろん素晴らしいが、春や秋など四季を味わって欲しい。オーストラリアには四季がなくて、いつも同じ色なんだ。でも特に妙高は四季がはっきりしていて、季節毎に街の色は違うし、季節の食べ物もあって、いつも違うものがある。その移り変わりを是非楽しんで欲しいね。
【記者】こちらが改めて気付かされる貴重なお話、本当にありがとうございました。
▲玄関開けたらそこがゲレンデ
▼A.I.R.Myoko
〒949-2111
新潟県妙高市赤倉585-175
おまけショット
▲この料理の下敷きも海外からは人気
▲ディナー
▲愛犬のテツジ
▲根曲り杉
▲秋は紅葉が美しい