Profile
田中 樹理(たなか じゅり)さん
出身:岡山県
年齢:20代
勤務先:冠婚葬祭業
経歴:小売販売
移住年:2017年
趣味:映画鑑賞
「妙高市空き家情報登録制度」と「妙高市住宅取得等支援事業補助金」を利用し、2017年に高知県から妙高市に移住してきた田中さん。転職と移住を考えた頃に妙高市で物件を見つけ、内見に来たその日に住宅所有者・市役所職員とその日のうちに交渉をまとめたそう。思い切って新しい土地で暮らしてみようと身ひとつで来た田中さんにお話しを伺ってみました。
移住にあたって「家以外の部分で知っておかなきゃいけない」こと
【記者】田中さんは「身ひとつだけで妙高にやってきた」とお話されていましたが……。
【田中】本当その通りで前の住所(高知県)から引っ越す時、お金は住宅の購入で使い切りました。仕事も妙高に来てから探しましたし、家具はほとんど捨てるか中古屋で売って、当面生きていくだけの最低限の生活費だけ持って、こちらに引っ越してきました。ほとんど行き当たりばったりな移住でした。(笑)
【記者】なんといいますか、勇気がありますね・・・。なぜそこまでして妙高に?
【田中】まず最初に自分の持ち家が欲しいというのがありましたが、場所は特に決めていなかったんです。妙高に限らず探していましたが、妙高市は空き家情報が市のホームページにあって安心でしたし、購入にあたって補助金制度もあったのが魅力でした。
【記者】人生最大の買い物ですからね。市がそういったところをサポートしてくれるのはありがたいですよね。
【田中】高知からだとなかなか他県まで内見に行けないので、とにかく書かれている情報は隅々まで見ました。良い家があるなと思ったら付近を地図で見て、行きたいお店が近くにあるか、学校や病院が近いか、とか。そういうのをしっかりチェックして今の家を選んだんです。下見で一緒に来てくれたのは市役所の職員さんでした。
【記者】不動産屋さんでなく行政の方と下見とは面白いですね。実際に見てどうでしたか。
【田中】事前にチェックしていた通りで、条件はすごく良かったです。それでもわざわざ内見に来たのは、聞きにくいことを聞くためでした。近所付き合いの雰囲気とか、災害の影響を受けやすいかとか・・・。家以外の部分で「知っておかなきゃ!」という項目がいっぱいありましたね。でも正直に答えてもらえたので、安心してココに決めることができました。雪のことは「本当に大変だよ。大丈夫?」とすごく念を押されましたけど、それも嬉しかったですね。おかげで覚悟が決まりました。(笑)
未経験の業種に就職。「でもまあ、やればできるか!」
【記者】お仕事もこちらに来てから探したとのことでしたが、何か困ったことはありませんでしたか?
【田中】ハローワークに行って探してみたら、割とたくさんありました。通勤は車や電車を使っても良いと思ったので、隣の上越市まで範囲を広げて・・・。今までやってきた仕事にこだわらなかったので未経験でも大丈夫な仕事も探しましたけど、特に困らなかったです。
【記者】新しい土地で、新しいことにチャレンジするのは良いですね。ちなみに、お仕事はどんなことを?
【田中】冠婚葬祭業です。求人は何社かありましたけど、条件の良さそうなところで選びました。全く未経験の業種でしたけど、「でもまあ、やればできるか!」ぐらいのつもりで。あと「生きていければ良いか」ぐらいで。(笑)そのぐらい思い切りの良い性格なので移住できたんだろうなと。
【記者】たくましいです・・・。私なら不安ばかり先行しちゃって、なかなか思いきれないかもしれません。
【田中】不安は不安で、たしかに消えないですよね。私も「本当に大丈夫かな?」というのは考えないようにしたくても、どこかに、そんな想いもありました。でも「まあ、行けば分かるか」と。
【記者】どこまでもポジティブ!
「雪の期間の過ごし方」は悩みどころ・・・
【記者】妙高での暮らしはどうでしたか?
【田中】そんなに不便に感じることは無いです。家は安かったし、買い物するのにもほとんど困らないし。でも映画が好きなのに、妙高市内に映画館が無かったのはちょっと寂しかったぐらいです。
【記者】いや、20、30人入れる映画館の開設準備が進められているらしいですよ。
【田中】そうなんですか!?いやー、それでも良いです!じゃあもう妙高に何の不満も無いですよ!(笑)・・・だけど欲を言えばなんですけど、もっと色んな人に移住してきてほしいというか・・・。若い友だちがもっと欲しいなって思う時はあります。そういう輪が、もっと広がると良いんですけどね。
【記者】ちょうど妙高市でも人の輪を広げる取組みを色々とやっています。その成果が出ると良いですね。
【田中】友達もほとんど違う県にいるので、それは分かっていた事だから仕方ないですけど、友達が近くにいないのは、時々少し寂しいです。特に雪の期間は外出が億劫になって、室内にいる時間も長いので。雪の期間も人が集まりやすい場所があれば良いとは思います。
私は「聞かない」、だから実際に「体験して」みれば良いのでは
【記者】これから妙高に移住を考えている方にメッセージをいただきたいのですが、どうでしょうか。
【田中】はい。私の場合、そこが良いところか悪いところか、実際に住んでみないと分からないと思っています。なので移住を考えている方も、最初はアパート暮らしでもいいから実際に妙高を体験してみて、自分が納得できれば家を買うなり、定住を考えてみても良いんじゃないかなと伝えたいです。
【記者】人生の一大イベントですからね。『急がば回れ』で、まずお試ししてみるのは良いと思います。
【田中】そういう意味では定住を考えている方に向けて、妙高市でそういう「お試し」ができるような制度があると良いかもしれません。買いたい物件があった場合、そこに最初は賃貸で住めるようにするとか。で、一年ぐらいして気に入らなければ出て行ってもいい。賃貸と同じく修繕費はちゃんと貰って。「やっぱり住みたい」と思えば、それまで払った家賃を住宅購入費として計上しても良いとか。
【記者】そういう制度があればキッカケとしては良いですよね。全部の空き物件でやらなくても、一部の物件で取り組んでもらえたら、田中さんほどポジティブではない方も「試しに住んでみよう」と思えそうです。
【田中】それって良い意味で言ってますか!?(笑)でも移住が不安な方もいるわけだし、そういう人の背中を押せる仕組みは幾らあっても良いと思うんです。
【記者】そうですよね。田中さん、本日はありがとうございました!